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更新日:2018/1/31

移動先推定の計算速度を調べてみました。

特定のアプリケーションソフトウェアの処理能力は、ハードウェアに依存するところが大きいですが、簡単なベンチマークテスト。だいぶ古いデータですが、紹介します。

注意点は次の2点。

  • FtrPIVは、できるだけ多くの方に「普通に」使ってもらいたいので汎用性重視。いわゆるGPGPUによる計算は行っていません。
  • FtrPIVは、Intel製CPU、特にマルチCPU・マルチCoreに最適化されています。

ハードウェア環境

それではまず、実行環境を示します。

【ベンチマーク実行環境 - ハードウェア】
CPU Intel Core i7-3930K @ 3.20GHz(6 Cores、12 Hyper threading)
メモリ 16.0GB
マザーボード Intel X79 Express
SSD Intel 240GB(520シリーズ)(OS搭載)

SSD搭載以外はいたってポピュラな構成です。2012年購入。\200,000弱です。

【ベンチマーク実行環境 - ソフトウェア】
OS Windows7 Professional SP1
FtrPIV Ver.3.1 最近のバージョンです。

テスト用粒子画像

ネット上からダウンロードできる標準的な画像(256x256)。この画像サイズではあまりに現実とかけ離れているので、これを 横x8 縦x8して2024x2024を構成しました。単純に横縦に並べただけです。
これは、元にした標準画像(256x256)です。左が第1画像、中央が第2画像です。これをPIV解析して流れ場を描くと、右のようになります。

実際にベンチマークで使用した画像は、これを 8x8 並べたものを使います。

計算条件

格子間隔 16x16(15,625点)
検査窓 33x33(オーバーラップ率50%)
探索範囲 10(4方向とも)
誤ベクトル検査 なし(実際は実施しても計算時間はあまり変わりませんでした)
その他機能 なし(実際は実施しても計算時間はあまり変わりませんでした)
計算手法 直接相互相関法(オススメです!)
オンメモリモード FtrPIV起動時のコマンドオプション(/M)で実行。通常モードでは、ペアごとの解析結果をテンポラリファイルとして外部出力していますが、このモードではそれを行いません。解析時間は実は、ファイルアクセス関係がその大半を占めています。このモードではメモリ量の制限を受け、大量データの解析はできませんが、メモリだけで処理を行うため高速になります。

さて、前置きばかり長くなりましたが、次のような結果でした。

ベンチマーク実行結果

上記の画像ペアを100ペア用意(実際にファイルをコピー)して計算したところ、約25秒でした。
つまり、

  • 0.25秒/ペア

ということになります。実際に計算されたベクトル図は、次のような感じです。(サイズが大きいので縮小して貼り付けています。)

さて、いかがでしょうか。速いっ! と感じるか、遅い と感じるか。
この世界に精通している型であれば、「速い」と感じるのではないか、と思います。もしかしたら 世界一高速 かも知れません。
ただし、計算速度重視でソフトウェアを選ぶことは、あまりお勧めしません。たとえ今は遅くても、数年の内に必ず高速化の対応がなされます。日進月歩なのですから。


[ タグ ]
FtrPIV/ベンチマークテスト/DCC法/移動量推定/計算速度/計算時間


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