カメラ校正板を作る際のポイントを列挙します。
このようにして作成されるカメラ校正板は、縦・横の2次元情報(x・y)は持ちますが、奥行き方向の情報は持ちません。奥行き方向の位置(z)は、校正板を設置する位置によって決めます。したがって、撮影されるすべての基準点が、同じ奥行き座標(z)を持つものとして、取り扱うことができるようにしておくと便利です。
カメラ校正用の画像は、この平板を奥行き方向へ平行移動させて撮影することによって取得します。
「適切」であることを考える際の要素として、次のことが挙げられます。
適切な例として、下図 < カメラ校正板の撮影例 > を参考にしてください。
計測対象の座標軸や原点位置などを、解析工程へ引き継ぐために、一部の基準点マークを他と異なる大きさで作成しておくことをお勧めします。
このような特徴的なマークまたはパターンを作っておくことで、計測空間におけるカメラの向き、撮影領域などの情報が画像として残されることになり便利です。
特に「ダイレクトマッピング」でカメラパラメータを計算する場合は気をつけなければならない重要な点です。「ダイレクトマッピング」では、基準点の存在しない部分の精度は著しく低く、まったく利用価値はありません。「ダイレクトマッピング」を使用する際は、「基準点が存在する範囲内だけが有効な計測範囲である」ことに十分に注意してください。
カメラ校正板の基準点マーク画像は、ISCCで作り、印刷することができます。伸縮しにくい用紙(OHPシートなどでもよい)へ印刷し、ラミネート加工を施し(補強・防水のため)他ものをベース平板へ貼り付ければ、簡易的な──それでも機能的には十分な──カメラ校正板ができあがります。
カメラ校正板が平板であることと同時に、その板をカメラ視線方向へ、傾き・位置ともに、正確に平行移動させることが、たいへん重要です。
治具を作る際のポイントを列挙します。
カメラ校正治具の1例を示します。『3軸回転+2方向トラバーサ』です。
この例で使用している用具とその目的を示します。
カメラ校正板の位置と向きを、計測断面(光シート)にピタリと一致させます。通常、この位置をz=0とします。
カメラ校正板を奥行き方向へ少しずつ移動させて、校正板を撮影します。
通常は、位置z=0(光シートの位置)を中心にして、1mm刻みで全5箇所(-2、-1、0、+1、+2)の位置で撮影します。
使用するすべてのカメラで同じ校正板を撮影します。
以下に、特徴をまとめます。