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更新日:2018/2/8

カメラ校正治具のこと。

カメラ校正板(基準テンプレート)の作り方

カメラ校正板を作る際のポイントを列挙します。

  • 基準点面は凸凹のない平板であること

このようにして作成されるカメラ校正板は、縦・横の2次元情報(x・y)は持ちますが、奥行き方向の情報は持ちません。奥行き方向の位置(z)は、校正板を設置する位置によって決めます。したがって、撮影されるすべての基準点が、同じ奥行き座標(z)を持つものとして、取り扱うことができるようにしておくと便利です。
カメラ校正用の画像は、この平板を奥行き方向へ平行移動させて撮影することによって取得します。

  • 基準点マーク(白点)の大きさと量(密度)が適切であること

「適切」であることを考える際の要素として、次のことが挙げられます。

  • 「幾何光学モデル」でカメラパラメータを計算する場合は、比較的少数の基準点でも、精度の良い結果が得られること
    一方、「ダイレクトマッピング」の場合は、基準点の密度がカメラパラメータの精度に直接影響するため、より多量の基準点を必要とすること
  • 画像の歪みが大きい場合は、「ダイレクトマッピング」を使用すること(「幾何光学モデル」は適用できないことが多い)
  • 基準点マークが多ければ、それだけカメラ校正作業に時間がかかること
    一方、少なければ精度上の問題が生じかねないこと(特に「ダイレクトマッピング」)
  • 大きい基準点マークは、画素座標の特定で誤差を含みやすく、精度低下の要因となること
    一方、小さい基準点マークは、ソフトウェア(ISCC)で自動抽出されにくくなること
  • 画像の歪みが大きい場合は、歪む方向の点の間隔は大きくせざるを得ないこと

適切な例として、下図 < カメラ校正板の撮影例 > を参考にしてください。

  • 解析上の原点位置・軸方向を明示すること

計測対象の座標軸や原点位置などを、解析工程へ引き継ぐために、一部の基準点マークを他と異なる大きさで作成しておくことをお勧めします。
このような特徴的なマークまたはパターンを作っておくことで、計測空間におけるカメラの向き、撮影領域などの情報が画像として残されることになり便利です。

  • 撮影領域に対し、十分な大きさがあること

特に「ダイレクトマッピング」でカメラパラメータを計算する場合は気をつけなければならない重要な点です。「ダイレクトマッピング」では、基準点の存在しない部分の精度は著しく低く、まったく利用価値はありません。「ダイレクトマッピング」を使用する際は、「基準点が存在する範囲内だけが有効な計測範囲である」ことに十分に注意してください。

カメラ校正板の基準点マーク画像は、ISCCで作り、印刷することができます。伸縮しにくい用紙(OHPシートなどでもよい)へ印刷し、ラミネート加工を施し(補強・防水のため)他ものをベース平板へ貼り付ければ、簡易的な──それでも機能的には十分な──カメラ校正板ができあがります。

カメラ校正用治具の作り方

カメラ校正板が平板であることと同時に、その板をカメラ視線方向へ、傾き・位置ともに、正確に平行移動させることが、たいへん重要です。
治具を作る際のポイントを列挙します。

  • 流路モデル(供試体)に触れずに各種用具の調整ができること
  • 目的の位置(計測断面)へ容易に移動できること

カメラ校正治具の1例を示します。『3軸回転+2方向トラバーサ』です。

この例で使用している用具とその目的を示します。

カメラ校正治具の設置

カメラ校正板の位置と向きを、計測断面(光シート)にピタリと一致させます。通常、この位置をz=0とします。

カメラ校正板の撮影

カメラ校正板を奥行き方向へ少しずつ移動させて、校正板を撮影します。
通常は、位置z=0(光シートの位置)を中心にして、1mm刻みで全5箇所(-2、-1、0、+1、+2)の位置で撮影します。
使用するすべてのカメラで同じ校正板を撮影します。

カメラパラメータの種類(まとめ)

以下に、特徴をまとめます。


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カメラ校正/カメラ校正治具


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