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更新日:2018/2/6

探索範囲の適正を調べることはできますか?

粒子像の移動先は、ある指定した範囲(これを「探索範囲」と呼びます)内だけを探索します。そのため、真の解(=本当の移動先)が「探索範囲」の外側にあったとしても、その位置が選ばれることは絶対にありません。探していない場所を選ぶことはできないからです。
しかし、当該の解析結果がそのような状態にあることを、描かれた流れ場(ベクトル矢線図)から判断することは、一般的には難しい場合が多いです。
そのような解析が行われた場合に、警告を発する機能がFtrPIVには搭載されています。『警告検査』と呼ばれる機能です。
また、推測された移動先の位置が、指定した探索範囲に対してどのように分布しているのか、統計的に観ることもできます。

探索範囲の警告検査

探索範囲』の設定を行うためのウィンドウは、次のようになっています。

検査項目として、「探索範囲」「有効ベクトル数」「平均相関値」「粒子画像品質」の4項目が用意されています。ここでは「探索範囲」の警告検査について紹介します。
上の例では、指定された探索範囲に内接する楕円形の、周上をゼロ、中心を100としたとき、ゼロ〜10 の範囲を “危険領域(外延からの幅)” と定義しています。

その “危険領域” 内に移動先を持つものが 30 個を超えるときに警告を発するようになります。
実際の警告画面は、次のようなものです。

「探索範囲」に関する警告ベクトル数が示されます。[個別]、[平均]、[累積]それぞれの意味は次の通りです。

  • 個別:ペア画像ごとのベクトル場における警告ベクトル数
  • 平均:今回計算されたペアにおける警告ベクトル数の平均
  • 累積:今回計算されたペアにおける警告ベクトルの総数

右側の[警告リスト]には、発生した警告内容が一覧されます。このリストで選択されたペアは、[処理対象画像リスト]でも選択され、そのベクトル図が表示されます。

散布図(Scatter plot)で確認する

移動先が、指定した探索範囲内で、どのように分布しているのかを散布図で表示します。
このグラフを通して、関心領域内の全体傾向が分かります。また、探索範囲の絞り込みや拡張の必要性を確認できます。
分析対象となるデータは、[処理対象画像リスト]で選択されているペア画像の計算結果です。グラフは選択に連動します。
この散布図では、ベクトルの終点つまり移動先をドットの位置で示し、その色で画像上の場所を示します。操作パネルにある2次元カラーパレットが画像の位置とそこへの配色を示しています。たとえば、白色に近いドットは画面上のおおよそ中央付近に存在しているベクトルであることを意味し、赤色のドットは画面上の中央上部に存在しているベクトルであることを意味します。

量的(Histogram)に確認する

散布図(Scatter plot)が、個々のベクトルの方向性まで、を扱うのに対し、探索範囲に対するベクトル終点の位置関係を量的に観察し、探索範囲の正当性を全体的に評価するために用意されているのがHistogramです。ここでは、ベクトルを成分ごとに、または、その長さ(大きさ)だけが評価対象になります。


[ タグ ]
FtrPIV/警告/検査/散布図/Scatter plot/ヒストグラム/Histogram


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