カメラパラメータを生成するために、ユーザが必要な作業は「基準点抽出」と「ナンバリング」です。要するに、キャリブレーション画像内の基準点の画像座標に対して、それぞれの物理座標を割り当てることです。
基準点はたくさんあります。すべての基準点に対していちいち物理座標を直接指定するのは面倒だし、ミスしたらたいへんです。そこで、基準点をある規則に従って配列しておきます。そうすれば、物理座標を指定するのはどこか1点のみ、他の点はそこを基準にインデックスを割り当てれば、すべての点の物理座標を配列規則に従って “計算” することができます。このような仕組みにしておけば、点列の間隔が変わった場合でも “再計算” するだけですべての物理座標を変更することができます。作業者は、点の並び順だけを気にすればよく、個々の点の物理座標を意識する必要はなくなります。
ここで言う “インデックスを割り当てる” 作業のことを「ナンバリング」と呼びます。以下、ISCCでの作業手順を説明します。
「ナンバリング開始点」とは、上の説明文の下線部にある “どこか1点のみ” の “1点” のことです。すでに抽出されている基準点の中から選びます。この点のインデックスは(0, 0)として認識されます。[開始点の表示]をOnにすると、矢印付きマークが表示されます。このマークが付された点が「ナンバリング開始点」です。適切な点へ移動してください。
ナンバリング開始点は、システムが連続して隣接点を見つけやすい場所に設置することが、より作業を楽にするポイントです。たとえば、直行格子型の配列であれば、なるべく中央付近に設置します。システムは、開始点に近い場所から次のインデックスを割り当てるべき点を見つけ、その点からさらに次の点を見つけ・・・、と順々に点を見つけていきます。どの方向に対しても、その探索する距離がもっとも短くなるのは、中央付近だからです。
移動する方法には2つあります。
次に、赤・青の矢印の方向を設定します。この矢印は、システムが隣接点を見つけるための“探索すべき方向”と、“インデックスが大きくなる方向” を意味します。矢印の反対向きにも自動探索が行われ、インデックスが小さくなるようにナンバリングされます。
基準点の配列規則ごとの矢印の意味は次のとおりです。
矢印の方向を変更する方法には2つあります。
「ナンバリング開始点」に制約はありません。インデックス(0, 0)としたい点を選んでください。
[処理選択]で “指定開始点から実行(直交格子部分)” を選択します。
[開始]ボタンを押します。
はじめに直交格子部分のみを処理します。
「ナンバリング開始点」として、「直交格子部分の開始点」(中央の点)を指定します。原則としてそれ以外の点を指定することはできません。図 < 基準点配列インデックス[1,2]例(同心円型) > を参照してください。
[処理選択]で “指定開始点から実行(直交格子部分)” を選択します。
[開始]ボタンを押します。直交格子に並んでいる点のみがナンバリングされます。
次に、同心円部分のみを処理します。
「ナンバリング開始点」として、「同心円部分の開始点」(「直交格子部分の開始点」から右方向へ最初に現れる同心円部分の点)を指定します。原則としてそれ以外の点を指定することはできません。図 < 基準点配列インデックス[1,2]例(同心円型) > を参照してください。
[処理選択]で “指定開始点から実行(同心円部分)” を選択します。
[開始]ボタンを押します。同心円に並んでいる点のみがナンバリングされます。
基準点配列ごとのインデックスの割り当て方法を示します。
同心円部分(外周部分)と、直交格子部分(内部)の2つの部分から構成されます。
点に割り振られるインデックス番号には “有効” / “無効” のステータスがあります。上記の処理で、新しくインデックス番号が割り当てられた点はすべて “有効” とされます。インデックスが“有効”な点は、[ナンバリング基準点の表示属性]にある[色]で表示され、“無効” な点は、[抽出基準点の表示属性]の[色]で表示されます。
各点の “有効” / “無効” のステータスを切り替える方法については、【ナンバリングは手動でも行えます。】の稿を参照してください。
上記の方法はこの場合に相当します。
「ナンバリング開始点」のインデックス番号が “無効” のときは、「ナンバリング開始点」には、新しく(0,0)が割り振られます。その後それぞれの方向へ点を探索し、見つかったものから順に、その “有効” / “無効” に関わらず、インデックスを1つ増やして(反対方向ならば、1つ減らして)、その点に割り振ります。すでに “有効” な点のインデックスも書き換えられます。
「ナンバリング開始点」のインデックス番号が“有効”のときは、そのインデックス番号をそのまま利用して処理を行い、“無効”な点のみをナンバリングします。すでに “有効” な点のインデックスは書き換えられません。『処理開始時点で “有効” な点は、すべて正しいとみなされる』ことに注意してください。
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