ISCCの基準点抽出機能がさらに強化されました。今回は、その「自動抽出2」を紹介します。まずは「自動抽出1」のおさらいから。
「自動抽出1」は、1枚の画像を対象に、輝度値と面積を抽出条件として再帰的な抽出を行います。基本的な機能ですが、たいへんロバストで汎用性の高い抽出処理を実現しています。カメラ校正用の基準点抽出のみならず、画像中に散在する粒子状の “モノ”をかなり精度よく抽出することができるため、多用途に使用されている方も多いのではないでしょうか。
それに対し、「自動抽出2」は、『すでに抽出作業(〜ナンバリング作業)が完了している画像を参考にしよう』という発想で用意されています。
確かに、カメラ校正用に撮影された基準点画像の多くはかなり酷似した画像です。ほとんどは、点群全体が平行移動したような画像が得られると思います。そこで、点群(または各点)のおおよその移動先に着目し、各点の位置を特定すればよさそうです。
ISCCへの実装を見てみましょう。
読み込まれている画像のファイル名が候補としてリストアップされるので、任意のアイテムを選択します。すでに抽出作業(〜ナンバリング作業)が完了しているアイテムを選びます。
ここで選ばれた画像が “参照元” となり、処理対象画像リストで選んだ画像が探索され、基準点が特定されます。
基準画像で定義されている基準点群全体を1つの領域として、その移動先を探索します。
算出されるベクトルは1つだけです。『全体がほぼ平行移動している』ような場合は、この方法を使用するとよいでしょう。
ただし、”個別探索”を行う必要がありますので「個別探索範囲」をOnにすることをお忘れなく。
基準画像で定義されている、すべての基準点の移動先を個別に探索します。
移動先はDCC法で探索します。探索する範囲(点の移動している範囲)を画素単位で指定します。通常はデフォルトのままで問題ないと思います。
「個別探索」を行い場合はOnにします。「個別探索」は、[抽出補正]と同じ処理を行います。DCC法により推測された移動先から、さらにその周辺の輝度分布を調べ、位置を補正します。範囲設定は、輝度分布を調べる範囲を指定します([抽出補正]と同じです)。ゼロを指定すると、基準画像の個々の点の面積から個別に自動設定されます。
[抽出補正]では、ユーザが指定(マウスクリック)した位置にこの処理を1回だけ行い、新しい点を追加したり、その位置を補正したりしますが、ここでは、基準画像に定義されている基準点の数だけ処理が行われます。
この[自動抽出2]は、画素位置を除く基準点情報をコピーします。
したがって、ナンバリングを済ませたものを基準画像に選ぶのが、賢い使い方と言えます。
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